資金調達の種類について

資金調達を行う3つの方法

企業が資金調達を行う方法は大きく3種類に分類することができます。

◯アセット・ファイナンスとデッド・ファイナンス

自社が既に所有している資産を現金化するのがアセット・ファイナンスです。

金融機関などから資金を借りる方法はデッド・ファイナンスと呼ばれます。

アセット・ファイナンスでは自社の資産が現金に変わります。

等価で現金化できれば、実質的に資産が減ることはありません。

またアセット・ファイナンスは自社の資産を現金化するので、負債を背負う心配も不要です。

デッド・ファイナンスの場合には、負債が増えるので注意が必要となります。

◯エクイティ・ファイナンス

投資家などから自社への投資を募る方法は、エクイティ・ファイナンスと呼ばれます。

エクイティ・ファイナンスでは、負債を増やさずに資金調達ができます。

しかし株式を新規に発行すると、株主が経営権を取得することがあります。

一般的に資金調達の方法として銀行などの金融機関からの融資がありますが、それ以外にも様々な資金調達方法が存在します。

アセット・ファイナンスの種類

アセット・ファイナンスは資産を資金に変える方法で、様々な種類があります。

不動産や有価証券、ゴルフ場の会員証など不要となった資産を売却して現金化するのが最もシンプルな方法です。

企業が多くの在庫を抱え売れる見込みがない場合には、毎月の管理コストがかかります。

無駄な在庫を早期に処分すれば、現金化できるだけでなく管理コストを節約できます。

事業に投下した資金や労力のうち事業の撤退や縮小、中止を行なっても戻らないもののことをサンクコストや埋没費用と呼びます。

事業が成功する見込みがないのであれば早期にサンクコストに見切りをつけ、それ以上の損失が出ないようにすることが重要です。

節約できた資金は新たな事業に投資して有効に活用できます。

利益を得る見込みのない無駄な在庫は、価格を安くして売却するか処分してコストの増加を抑える必要があります。

損失は発生しますが多少の現金が戻ることに加えて、それ以上の損失発生を防ぐことができます。

◯売掛債権を売却する

企業が売却できるのは、不動産や無駄な在庫だけではありません。

売掛債権を売却することも可能です。

顧客へ商品やサービスを提供し、代金を支払ってもらう権利を売掛債権と呼びます。

売掛金の支払いまでには、1か月や2か月のように一定の期間があります。

支払い期限前に売掛債権を売却する方法はファクタリングと呼ばれます。

ファクタリングを利用するためには手数料を支払う必要があります。

しかしすぐに現金化することができるというメリットが存在します。

事業に必要な設備を売却すると営業が困難に

会社の資産を売却すれば現金化できますが、事業に必要な設備を売却すると営業が困難になります。

自動車や不動産、機械設備など売却すると営業が困難になるものでも、売却後にリース契約を締結して使用を継続する方法が存在します。

リース契約を行なうと毎月利用料金が発生します。

しかし売却により多額の資金を調達できます。

さらに将来資金に余裕ができた場合には買い戻すことも可能です。

売却後にリース契約を締結すれば、営業に支障なく資金調達ができます。

◯無形資産も売却可能

ファクタリングでは売掛債権を売却しましたが、営業権などを売却することでも資金調達は可能です。

顧客網や代理店網、特許、営業のライセンス、商標などは無形資産と呼ばれます。

無形資産も有形資産同様に、売却して営業資金を調達することができます。

債権には消滅時効が存在します。

一般的な民事債権は10年で消滅しますが、商事債権の場合には5年で消滅します。

手形債権は3年、生産者や卸売商人、小売商人の代金債権は2年です。

運送賃や手形の遡求権は1年で消滅します。

さらに小切手債権の消滅時効は6か月です。

どのような種類の債権でも裁判で確定判決を得れば10年になります。

◯取引先が債権回収に応じない場合

取引先が債権回収に応じない場合には内容証明郵便を送達したり、民事調停、少額訴訟、通常訴訟などを行なうことが重要です。

内容証明郵便を送達して催告を行なった場合には、消滅時効の完成は6か月延長されます。

6か月以内に裁判上の請求をしなければ、時効が完成するので注意が必要です。

法的な措置を行なうことで、未回収だった資金を調達できます。

多くの企業では経営者が節税対策して生命保険に加入している事例が見られます。

満期前に解約すると返戻金が少なくなることがあります。

しかし金融機関などから借り入れを行なうよりも、少ないコストで資金を調達できます。

中小企業などでは、経営者が会社から融資を受けている場合があります。

役員報酬や退職金などから債権を回収すれば、経営資金に充てることができます。

資金調達まとめ

デッド・ファイナンスでは国や地方自治体、銀行などの金融機関、手形割引などの方法で資金の調達を行います。

いずれの方法も負債が増えるので注意が必要です。

エクイティ・ファイナンスを行う場合には、新株の発行により第三者が経営権を取得することがあります。

第三者割当増資を行なう場合には、経営者の出資比率が低下しないように注意します。

自社の資産を処分する形で資金を調達すれば、負債や経営権について心配する必要がないので合理的です。

実際には様々な方法を組み合わせて資金の調達が行われています。

 

出典:資金調達方法を調べる