最終更新日 2024年4月15日

「M&Aの現場の声が知りたい」
「M&Aのメリットとデメリットは?」
「光本勇介さんの経歴と現在の状況が気になって仕方がない」

M&Aを受けた会社で働いていた経験がありますが、それまでの雰囲気とM&Aを受けた後では会社の方向性が異なり大きく変更されました。
田舎ではありますが優良企業として知られておりましたので、私は20代でその企業の現職に入り働いていたのです。
比較的に利益体質であることや有名な企業名がターゲットになり、投資家に狙われて大口の買い占めをされてしまいました。
こうした投資家は大口の投資をすることで発言権を持ち、会社内にコンサルタントを入れて自分たちの意向に沿った形に内部から企業を変えていったのです。

https://www.abqpoa.org/freelanceengineer.html

光本勇介さんから私が学んだこと

元々は牧歌的な雰囲気の田舎の工場でありましたが、コンサルタントが入ったことで一変したこともあります。
のんびりマイペースで仕事をする人も、懸命に仕事を打ち込む人も差がなくなり一律で仕事に従事するようになりました。
それ自体はとても良いことですが、内部では数々の軋轢も生まれたのも事実です。
急激な変化によって起こった人事異動では、元々犬猿の仲の同僚が同じ現場で働くケースもありました。
責任感が強い者同士が衝突して、片方は疲労感を滲ませながら退職してしまったのです。
入社時から厳しくも優しく指導してもらい、長く一緒に仕事をした先輩であったためにとてつもない喪失感を覚えました。
こんなことならばもっと一緒に仕事がしたかったと自分でも不思議な感情になり、経営陣や現場管理者はもう少し融通が出来なかったのかと疑問を感じたのです。
その一方で会社は大手自動車会社のマネジメント手法を取り入れて生産性を上昇させて、反対に不良品率を低下させて生産力を強化してゆきました。

参考/光本勇介

仕事をする上で大切なこと

変化は続き社風に合わなくなった人は去って行き、組織の人員配置も変化を余儀なくされます。
同期や数年先輩たちが管理職になり、今までは緩い雰囲気で仕事をしていましたがそうも言ってられません。
改革は止まらないのであり、自分自身も進化してゆき変化を受け入れるしかないのです。
仕事をする上で大切なことは寛容であることやチームワークになります。
工場の現業職で働いていると、そのラインの班長の人柄でチームワークは大きく変化するのが分かるのです。
厳しい人がマネジメント力に長けているわけではありません。
冷たい人や合理的でチームより個人プレーを選んだり、高圧的な人は人の上に立っても成果を発揮出来にくくなっております。
人間社会はこの人のためならば助け合おうと言う精神があり、一生懸命自分の仕事をしながら部下へ手を差し伸べてくれる上司には恩返しではないですが報いたいと思うのです。
冷たく高圧的で細かいことをネチネチいう人が班長では、皆委縮してしまうか協力体制にはなりません。
結局の所は人柄以上に大切なスキルはないのです。

投資家の役割

起業家とコンサルタントは数々の改善をして結果を残してゆき、話題作りにも積極的でした。
マスコミに取り上げられて製品の売り上げが上がり、同時に株価も上昇していったのです。
投資家の役割は株を安く購入してから企業価値を上昇させて、その後に高く売ることで利益を確保することが究極的な目的になります。
だから話題作りやより利益体質にすることなどを行い、時価総額を上げた時にはさらなる売り手を見つけるためのアクションをしたのはおかしな行動ではありません。
慌てた会社は株を買い戻そうとしたものの、投資家は連動を組んでさらなる買い増しや、影響力の強化などでプレッシャーを掛けてきたのは必然です。
困った企業は外部へホワイトナイトを依頼し、いくつかの企業の中で業界最大手のメーカーが株を取得することになりました。
大手の実質的な参加になり、さらに企業の取り組みは加速してゆきます。
派遣企業などの排除や経営陣の刷新、自社から出向役員や現場監督者を送り出し、経営も現場も掌握しました。
皮肉なことに投資家に口を出されていた時よりも企業体質は変わってしまい、常に親会社の目を気にするようになってしまったのです。

敵対的な買収は防げた

敵対的な買収は防げたものの、軒を貸して母屋を取られたと言っても過言ではない状態になってしまいました。
1度目の改革で去っていった先輩の後ろ姿が思い出されます。
その姿が拡大して会社の後ろ姿になりました。
田舎に合って牧歌的に働いていた頃の雰囲気はすでになく、大手企業の傘下として効率を最優先する社風に生まれ変わり、管理職は移動を余儀なくされそのまま退職する人もいたのです。
新しい建屋が建造され製造ラインが増えて、新しい商品が数々リリースされました。
親会社と元の企業での派閥が出来たり、以前工場長をしていた人物の降格なども目の当たりにして、盛者必衰の世の中の原理を見て、思わずため息を吐いてしまったのです。
経営者や起業家は経営のハンドルをミスすすると、こうして体質が大きく変わってしまうことを自覚しなければなりません。
少なくない先輩が企業を去り、同僚たちは親会社と元会社の派閥に挟まれて息がしにくい状態です。

まとめ

体を壊して去っていった後輩もいます。
M&Aは利益は上がるでしょうが、その裏ではこうした現場の悲哀があるのです。